船舶免許更新・再交付センターの社用船「かに1号」の船外機を整備しました。エンジンはYAMAHA 4ストローク115馬力です。今回は予備整備としてサーモスタットの交換です。

船外機に限らず、エンジンはガソリンと空気を混ぜた混合気をシリンダー内で圧縮し、そこにプラグより火花を飛ばし爆発させますね。ということは当たり前ながらエンジンは爆発により熱を持つわけです。適度に熱い状態を想定して設計されているのである程度、熱いのが一番良いわけです。が、もちろん「適度」、です。

そこで登場するのがサーモスタットという部品です。

左が古いもの、右が新品のサーモスタット

エンジンが冷えているときはサーモスタットが冷却水を堰き止めて内部には流さない。エンジンが熱くなって冷やす頃になると堰を開いて水を通す、わけです。普段は見えないんですが縁の下の力持ち的な存在です。もちろん車のエンジンにもあります。輸入車などでは2個付いていることも。

この太いホースには冷却水が満たされていて、エンジンに入るところにサーモスタットはいます。交換するにも古いエンジンになるとこのボルトが取れない。中で折れてしまうことも。幸いにもかに1号の船外機は無事に取れました。折れたらホント大変です。

船外機は車と違い、直接冷却方式です。海水をそのまま冷却水に使うので(クーラントが無いので)非常に効率がいいです。エンジンが冷えすぎるほどです。ただ塩水なので写真のように塩が付着します。そして堰を開いたり閉じたりするときに悪さをするわけです。

きちんと開かないとオーバーヒートしますし、閉じないとオーバークールです。どちらもエンジンには致命的です。なので予備的に整備して交換するわけです。

面倒でもきちんと真水での洗浄をおこない、消耗部品の定期的な交換は確実におこないましょう!今回はサーモスタットについてお知らせしました。